AERA6月21日号から
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 大きな特徴の一つが異年齢集団での教育。大日向小学校では、1~3年生、4~6年生でそれぞれ集団を形成する。開校3年目でまだ人数は流動的だが、各学年10人弱の計20~30人が集団の基本だ。現在は1~3年生3クラス、4~6年生2クラスの127人が学ぶ。児童の約8割は他県から移住してきた。

 学校の1日は、輪になって週末にあったことやクラスの出来事などを語り合う「サークル対話」から始まる。午前中の多くは「ブロックアワー」と呼ばれる学習時間だ。グループリーダーが1週間で学ぶべき各教科の課題を設定し、子どもたちは教員が示した課題と自ら決めたテーマを、いつ、どのように学ぶか計画する。

■ほとんどない一斉授業

「ワールドオリエンテーション」は「イエナプランのハート」とも呼ばれる学習の中心要素で、各教科を横断的に学ぶ時間だ。基礎学習の内容を活用し、グループで話し合いながら総合的に学びを追究していく。ワールドオリエンテーションで生まれた問いを深めるために、ブロックアワーで知識を得るという「循環」も生まれるという。

 そして朝と同じようにサークル対話でその日を振り返り、1日を終える。

ワールドオリエンテーションで、「自然と共に生きる」をテーマに地域の人へインタビュー(写真/大日向小学校提供)
ワールドオリエンテーションで、「自然と共に生きる」をテーマに地域の人へインタビュー(写真/大日向小学校提供)

 授業は学習指導要領にのっとり教科書も用いるが、教室に黒板はない。単元ごとに先生が数人を集めて解説する「インストラクション」は長くても15分ほどで、クラス全員が先生の方を向く一斉授業もほとんどない。

 宅明(たくみょう)健太教頭は言う。

「教員は子どもたち一人ひとりの学び方や学習ペース、習熟度を把握しながら、次にどんなものを活用すれば理解が深まるのか、どんなヒントやきっかけを与えればいいのか、常に学びをカスタマイズしています。1週間、時間内でしっかり頑張ればなんとかできる、というちょっとの背伸びを促すのがグループリーダーの役割です。同時に、先生だけで全て対応するのではなく、子どもたち同士が協働的に学べる場作りも必要。時間の使い方、空間の使い方、仲間とのやり取りを大切にしています」

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