■しなやかで強く繊細 洗練された竹のアクセサリー
初めて竹細工職人・小倉智恵美さんの作品に出合った時、その洗練されたセンスと繊細さに心が揺さぶられ、目を離すことが出来ませんでした。竹を仕入れ、鉈で割るところからはじまり、幾つもの工程を経て、0.5ミリ幅まで細くする。この力強さと繊細な作業を繰り返し、レース編みのように正確で美しい「六ツ目編み」によってバングルが作り出されて行きます。手首にしなやかに沿ったカーブ、着けた時の軽やかさは、身体の一部となっていくような感覚です。作品は、たおやかな小倉さんの人柄そのもの。古来より脈々と繋げられている伝統的な編み方を守り、伝えて行きたいという力強い思いが、小倉さんのものづくりの芯となっているのです。
■竹林の風を感じながら 柔らかな装いを
今回のプティ・タ・プティのテキスタイル/title:バンブー「竹」。
天へ向かい突き抜けるように真っ直ぐに梯子をかける嵯峨野の竹林をイメージし、図案に描いたものです。早朝の竹林に身を委ねれば、絡まった心はいつしか溶け、安らかにほぐれていくようです。柔らかな素材のポリエステル生地を使用したワンピースは、シワになりにくく、旅の装いの味方となってくれます。大人のための甘過ぎないAライン、バックスタイルにもシンプルな大きめのタックを添えているので、背中のラインがスッと映ります。一枚でさらりと着る他に、カーディガンやブラウスとの重ね着など一年を通して多様にアレンジをして愉しんでいただける一着です。
(撮影/竹下さより、編集協力/江下祥子)
ナカムラユキ
京都市在住。イラストレーター、テキスタイルデザイナー。著書に『京都さくら探訪』(文藝春秋)、『京都レトロ散歩』(PHP)ほか多数。