「タピる」が2018年の「JC・JK流行語大賞」(AMF)でコトバ部門1位に輝いた。タピオカドリンクを飲むことを意味する造語だが、それが流行るほどタピオカはいま大ブーム中なのだ。若い女性たちが主導してきたスイーツブームなはずが、アラサー以上の世代にもお馴染みのタピオカがいまなぜ? それだけではなく、プリンやパフェなど懐かしのスイーツもリバイバル中だという。
ティラミスの大ブームで幕を開けた平成のスイーツ30年史。次々と新しいブームが生まれ、日本人がこれまで味わったことの無い海外の味や食材・食感など“未知との遭遇”によってスイーツの種類は増えた……かと思いきや、フードジャーナリストの岩谷貴美さんがキーワードに挙げるのは「原点回帰」だ。
早速、流行したスイーツを振り返ってみよう。
1990(平成2)年ごろ ティラミス
1992(平成4)年ごろ タピオカ(第1次ブーム)
1993(平成5)年ごろ ナタデココ、パンナコッタ、なめらかプリン
1995(平成7)年ごろ カヌレ、生チョコ
1997(平成9)年ごろ ベルギーワッフル
1998(平成10)年ごろ クイニーアマン
1999(平成11)年ごろ シナモンロール、クリームブリュレ
2005(平成17)年ごろ マカロン、ロールケーキ
2007(平成19)年ごろ バームクーヘン、ラスク、生キャラメル、かき氷
2008(平成20)年ごろ タピオカ(第2次ブーム)
2009(平成21)年ごろ たい焼き
2010(平成22)年ごろ パンケーキ
2018(平成30)年現在 タピオカ(第3次ブーム)、プリン
※岩谷貴美さん監修
注目してほしいのは、平成の初期は日本人に馴染みのない海外のお菓子が並んでいるのに、後半からは多くの人が口にしたことがあるであろう身近なスイーツが多く並んでいることだ。
「07年ごろから『男女の逆転』が起きたと考えています。つまり、かつては男性パティシエが作ったお菓子を女の子たちが食べていたのが、女性のパティシエールが作ったものをスイーツ男子が食べるという構図に変わってきました」