源田と遊撃の定位置を争う西武・滝澤夏央(日刊スポーツ)
源田と遊撃の定位置を争う西武・滝澤夏央(日刊スポーツ)

「源田は将来の幹部候補」

 源田が球団にとって特別な存在であることは間違いない。西武では、リーグ連覇も果たした2010年代後半に主力選手だった涌井秀章(現中日)、岸孝之(現楽天)、菊池雄星(現エンゼルス)、浅村栄斗(現楽天)、秋山翔吾(現広島)、森友哉(現オリックス)、山川穂高(現ソフトバンク)が次々とFA権やポスティングシステムを行使して、国内外の他球団に移籍していった。その中で源田は新人の17年から球界トップクラスの守備力を買われて遊撃のレギュラーに定着し、侍ジャパンでも活躍。22年オフに推定年俸3億円プラス出来高で5年契約を結び、西武に残る道を選んでいる。

「チームの顔だった選手たちが次々とチームを去る中、残留を決断した源田と外崎修汰は将来の幹部候補として球団内の評価が高い。2人が不振の時期も起用され続けてきたのは、チームリーダーとして奮闘してほしいという期待の表れでしょう」(前出のスポーツ紙記者)

 最下位に低迷した昨年も二遊間を守る外崎と源田はレギュラーとして試合に出続けていた。だが、今年になって変化が生じている。外崎は二塁から三塁にコンバートされ、ここまで79試合出場で打率.216、3本塁打、22打点とふるわない。シーズン途中に獲得したデービスが三塁を守るようになり、定位置を保証されない立場となっている。

 源田も同様だ。急成長している21歳の滝澤夏央が、源田に代わって遊撃で先発出場する機会が増えている。滝沢は俊足に加えて強肩に定評があり、課題の打撃も対応力が上がっている。今年は源田が故障の時期に遊撃で起用されるか、二塁手での起用が多かったが、7月ごろから源田に代わってスタメンで遊撃を任されるようになってきた。

「確実性など守備の精度の点では源田の方がまだまだ上ですが、滝澤は球界を代表する遊撃になる可能性を秘めている。将来を見据えて遊撃で出場機会が増えることが考えられます。源田はこのまま下降線をたどるようだと不良債権になってしまう」(スポーツ紙デスク)

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