石破首相の80年談話は「不要」と主張した西村康稔氏
石破首相の80年談話は「不要」と主張した西村康稔氏

裏金処分の幹部が「石破おろし」で一致

 また、旧安倍派の幹部だった世耕弘成衆院議員は7月29日、テレビ朝日の番組に出演し、旧安倍派幹部4人が7月23日に都内で会食をしたと明かし、

「(石破首相は)選挙結果から、交代しなければいけないと一致した」

 と、旧安倍派が「石破おろし」でまとまっていると明言した。会食した4人は世耕氏と西村氏、萩生田光一元政調会長、松野博一前官房長官で、いずれも裏金問題で党から処分された元幹部だ。

 世耕氏は番組で、「ポスト石破」候補として、高市早苗元政調会長、小泉進次郎農林水産相、小林鷹之元経済安全保障担当相の名前もあげている。

 裏金問題の処分で世耕氏は離党し、現在は無所属だ。昨年の衆院選自民党候補を破って当選し、今年7月の参院選では自民党候補に対立する候補を応援して当選させた。その応援の際は、

「私は無所属です。比例は公明党に」

 と何度もアピールしていた。現在も復党は認められていない。

 だが世耕氏は、

「政治的経験も豊富で、政治の安定に寄与できる。安倍元首相の教えを受けてきた我々が保守政治を取り戻す」

 などと復党が決まったかのような発言を繰り返した。

「裏金事件の反省がない証拠だ」

 これについて、先のB氏は不満げに話す。

「派閥は解消されたはずなのに、西村氏や世耕氏は今も派閥の論理で行動し、発言をしている。だいたい昨年の衆院選、今年の参院選で負けたのは、石破首相の責任もあるが、根本的には政治とカネの問題、つまり旧安倍派が中心の裏金事件による国民不信がある。去年の衆院選も同様。それに旧統一教会との関係も旧安倍派が最も深かった。自民党支持が大きく後退する要因は、旧安倍派が作ったのではないか。4人で会談して、石破首相交代だなんて上から目線過ぎる。旧安倍派に裏金事件の反省がない証拠だ。勘違いも甚だしい」

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