
「終戦の日」に向けて続く攻防
自民党執行部は7月29日、議員懇談会で求める意見が多かった「両院議員総会」の開催を決めた。8月8日に開かれる。議員総会は議員懇談会と違い、党運営、国会対応などの方向性などを決められるが、総裁を任期途中で辞めさせる規定はない。自民党執行部は「総会で総裁選の前倒しは決定できない」という見解を示している。ただ自民党の政務調査役を長く務めた政治評論家の田村氏はこう説明する。
「両院議員総会では総裁選の時期を変更というのは可能ではないか。ただ、仮にそうなった場合、選挙管理委員会がどう取り扱い、どんな方法で総裁選をやるか、いつなのかと審議する。それも1日、2日で終わる話ではない。事務手続きもあって、時間がかかる。石破首相自らが辞めると言わない限り、この状況が続くことになるだろう」
「石破おろし」を図る旧安倍派議員たちは、総会で石破首相に圧力をかけ、自発的な退陣に追い込む考えのようだ。はたして石破首相の「戦後80年」のメッセージは出されるのか、出されないのか。出されたとして、どんな内容なのか。メッセージが出されると想定される「終戦の日」に向けて、自民党内で激しい攻防が続く。
(AERA編集部・今西憲之)
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