
ネットにはびこる「誇張」に注意
――女性には出産や育児の悩みもあると思います。普段どうアドバイスされていますか。
特にフリーランスは社会保障が薄いのが現実です。会社員なら受けられる傷病手当金も、出産手当金もありません。だからこそ、何かあったときに備えて保険を活用することがとても大切です。病気やケガで働けなくなった場合に給付を受けられる「所得補償保険」や業務上のトラブルに備えて「賠償責任保険」、報酬未払いなどのトラブルに備えて「弁護士費用保険」などですね。フリーランス向けにこれらをまとめて提供している民間サービスもあります。
私自身も、何度か支払いを踏み倒されて、思ったようにお金が入ってこないことがありました。特にフリーランスは自分を守るためにもお金の知識を身につけることが欠かせません。そして、万が一に備えられる生活予備資金として、1年くらいは生活できる預貯金を持っておくことも安心だと思います。
――変化が激しい時代において、一般の人はマネーリテラシーや知識をどう学ぶのがよいでしょうか。
自分が何に悩んでいるのかをはっきりさせて、そこから調べることが大切です。今はAIという便利なツールもありますし、お金に関する本もたくさん出ています。
ただ、YouTubeや個人ブログ、SNSは誰でも自由に発信できるため、情報の質にばらつきがあります。なかには間違った情報や、注目を集めるために誇張された内容も多いです。閲覧数を上げるためにキャッチーな表現を使うことも多いし、選択肢が多い分、かえって悩んでしまうこともあります。
一方で、商業出版されている書籍は編集者が関わっているので、基本的に信頼できる内容が多いです。もちろん個人の考え方が偏っていることもありますが、良いと言われている本を手に取ってざっと読むだけでも、情報の見え方は変わってきます。私自身もブックカフェなどでいろんなジャンルの本を読み、情報をインプットしています。ただし、電子書籍出版は誰でも自由に出せるため、ここも注意が必要です。
情報を探すときは、「間違ったものもある」という前提を忘れないでくださいね。信頼できる媒体をいくつか見つけて、楽しくお金の知識をつけていきましょう!
(構成/AERA編集部・福井しほ)
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