スナックママとしても人気の鈴木さん。軽快なトークが繰り広げられます!
スナックママとしても人気の鈴木さん。軽快なトークが繰り広げられます!

ケーキ付きセミナーの「落とし穴」

――鈴木さんの著書『資産形成の超正解100』(朝日新聞出版)でおもしろかったのは、お金に関する4つの視点です。「貯める」「増やす」「稼ぐ」まではよくありますが、それに続いて「使う」という項目がある。健康や医療にお金をかけるということですが、すごくいいなと思いました。

 お金を今使うことと未来に使うこと、どちらも大事です。健康とお金はリンクしていて、どれだけお金がたくさんあっても、健康でないと何もできません。特に自営業の方は健康診断をおろそかにしがちなので、気をつけてください。

――不動産投資も人気ですが、気をつけたほうがよいことやアドバイスはありますか。

 ワンルームマンション投資をすすめる会社で講師をしていたことがあります。無料で有名パティシエのケーキ付きという魅力的なマネーセミナーに、30〜60代の女性たちが多く集まっていました。その場で、不動産投資の中身をよく理解しないまま、次々に契約していく様子を目の当たりにしました。

 講師として、「手出し赤字分の補填が必要な投資は慎重になるべき」「それを理解しない方はカモにされてしまいますよ」と伝えていました。それにも関わらず、多くの人が購入したと聞かされて……。本当にショックで、すぐに講師を辞めました。もちろん講師代以外の成約料などは一切もらっていません。

 不動産投資自体が悪いわけではありませんが、渡される資料をただ鵜呑みにするのではなく、自分でエクセルなどを使って計算することが大切です。具体的に言うと、あくまで目安ではありますが、年間の手元に残る金額(家賃収入から経費・ローン返済額を引いたもの)が、最低でも投資総額の2%以上になるかチェックしてください。いわゆる純利回りですね。特にワンルームマンション投資は、キャッシュフローがマイナス=持ち出しが発生することも多いので、注意が必要です。また、純利回りと同時に、物件自体の価値にも注目してください。たとえば5年後に売却した時に利益が出るかという視点です。

 私は「しなやか」「フレキシブル」という言葉が好きです。ただ、不動産を持つことは逆にフレキシブルさを失うリスクもあります。だからこそ、いつでも売却できる目安を計算し、フレキシブルさを保つことがとても大切だと思います。

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