神谷代表の演説に熱狂する聴衆(撮影:写真映像部・松永卓也)
神谷代表の演説に熱狂する聴衆(撮影:写真映像部・松永卓也)

選挙戦略はSNSではなくポスターだった

――今回の参院選では、参政党のどのような選挙戦略が奏功したのでしょうか。

 僕は参政党の街頭ポスターを地道に増やすよう、ずっとアドバイスしてきました。SNSは正直NHK党に勝てる気がしなくて。ポスターなら一度貼れば候補者の名前や主張を24時間宣伝してくれる。意外と効果は大きいんですよ。しかも衆院選を昨年10月にやったばかりだったからか、他党はポスターの準備が間に合っておらず、全国的に参政党のポスターが目立つ結果となりました。

 それも、党員たちの苦労と努力の賜物です。既存政党はこれまでのツテを頼って民家やお店にポスターを貼らせてもらうんだけど、参政党は飛び込みで一軒一軒お願いして回る。打率は当然悪いけど、全戸に訪問をかけてかなりの枚数を貼ってきていました。

――支持拡大は神谷氏の圧倒的なカリスマ性も大きな要因では。

 神谷宗幣というキャラクターがなければ、参政党にここまでの勢いは出なかったのは確かです。彼、やっぱり人気があるんですよ。顔がなかなかいいし、ちょっとおっちょこちょいなところも可愛げがある。演説では上手に泣きの芝居を入れるので、人の心をつかむんでしょうね。ただ、直近の演説の様子を見ていると、顔色が悪い。長い付き合いの友人として、「あんたももう中年なんだから少し休め」とメールをしました。

 見た目通り、暑苦しくて無茶な男です。国会議員をやりながら、党首としてなんでも口出しして、他の議員に任せずに一人で選挙応援に駆け回る。全部自分でやっちゃうんです。神谷さんがいないと成り立たない“神谷党”になっているから仕方ないけど、もうちょっと落ち着いて活動してほしいなと思っています。

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