参政党の神谷宗幣代表(撮影:写真映像部・松永卓也)
参政党の神谷宗幣代表(撮影:写真映像部・松永卓也)
この記事の写真をすべて見る

 7月20日に投開票された参議院選挙で、参政党が大躍進した背景には、この男性がいるとされる。元日本共産党員で、ジャーナリストの篠原常一郎氏だ。参政党結党時のボードメンバーの一人であり、現在はアドバイザー的な立場で党運営や選挙に関わっているという。今の党の主張には賛同できない面もあるというが、なぜ“守り神”を続けるのか。そして参政党の未来をどう見据えているのだろうか。

【写真】“参政党の守り神”と呼ばれる篠原氏はこちら

*      *   *

党組織のあり方や運営システムを提案した“守り神”

――2020年の参政党結党に関わった経緯は。

 参政党の現代表である神谷(宗幣)さんと共通の知人がいて。「新しい党を作りたいと考えている人たちがいるんだけど」と声がかかってね。私は共産党や民主党などで20年以上、政党職員や議員秘書を務めてきて、その経験をもとにアドバイザーになってほしいとのことで、引き受けました。

――篠原さんは党内で「参政党の守り神」と呼ばれているそうですね。

 僕は、現在の党組織のあり方や運営システムを提案したんですよ。議員だけでなく党員がやりがいをもって活動できる党にできたことには自信を持っています。

 たとえば、参政党から選挙に出馬する候補者の公認は、運営党員たちの投票によって決まるようにしました。運営党員とは、一般党員より多く党費を払い、党の運営に積極的に関わっている党員のことです。みんな意外と見る目が厳しくて、「演説が下手すぎる」といった理由で信任されないケースも何度も見た。自分たちが選んだ候補者であれば思い入れもあるし、応援しようという気持ちになるものです。

 選挙戦略についても長い間、アドバイスしてきたし、今回の参院選の候補者たちにも演説のやり方を教えましたよ。神谷さんが困っている時は相談に乗る。でも以前よりは参政党と距離を置いています。だって今の党の主張は、僕の考えとかなり違うんだもん。

次のページ 幼稚園児のお絵描きみたいな憲法草案