篠原常一郎氏(写真は本人提供)
篠原常一郎氏(写真は本人提供)

「あんたは皇室について何を学んだんだ」と問い詰めると…

――どのような点で「違う」のですか。

 皇位継承問題については、僕は女性天皇を認めるべきだと思っているけど、参政党は男系男子による皇統維持を主張している。神谷さんがYouTubeで「天皇陛下に側室を」なんて非人間的な発言をした時は、さすがに議員事務所に怒鳴り込んで、撤回してもらいました。「あんたは皇室について何を学んだんだ」「昭和天皇が側室制度を廃止したことを知っているのか」と問い詰めると、「知りませんでした」と返ってきました。

 幼稚園児のお絵描きみたいな憲法草案を発表した時も抗議しましたよ。党内の一部メンバーで2年間検討したらしいですが、国家像がまるで見えず、自分たちの理想を書き連ねただけ。国民主権について書いていない理由を神谷さんに尋ねたら、「そんなのは前提だから書かない」と。いや、前提は書かなきゃダメなんですよ。リーガルマインドの基本も分かっていない様子に呆れました。

――それでも参政党や神谷氏との関係を続けるのはなぜですか。

 党を作った責任があるからです。僕がボードメンバーをやっているからと入党し、いまだに党員を続けている人もいる。だから僕としては、参政党をダメにするような発言や行動はしないけれども、明らかにおかしいことは公然と批判するようにしています。

 参政党の皇室観には、党内に残っている僕のファンをはじめ、不満を持っている党員はけっこういますよ。でもそういう党員たちも、政治活動をする上でほかに拠り所がないから離党はしない。参政党は議員ではなく党員が主人公で、自由に意見を交わせるという唯一無二の魅力がある。自分たちの手で軌道修正していけば、党は変わるって信じているんです。

 一部では神谷さんの独裁だという批判も渦巻いていますが、党の活動自体はみんなでよく話し合って進めていますよ。ただ、神谷さんが党内でコンセンサスを取れていないことを表でパーンと話しちゃうことがあるから、反発を買っているのでしょう。

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