
セ・リーグは阪神が首位を独走。巨人はゲーム差で大きく突き放され、リーグ連覇が苦しい状況になっている。7月15日までの総得点235はリーグ4位で、首位・阪神とは60点の差が開く。得点力不足が大きな課題だ。
【写真】覚醒はいつ? 巨人が緊急補強した「未完の長距離砲」はこの人
「阿部慎之助監督は現有戦力で目一杯やっていると思いますよ。スタメンを見ても、1軍のレギュラー級と呼べるのは吉川尚輝、丸佳浩ぐらい。主砲の岡本和真が故障で長期離脱し、ヘルナンデス、キャベッジの両外国人も打撃不振で登録抹消されている。坂本勇人は三塁の守備で貢献度が高いが、打撃は明らかに衰えが見える。泉口友汰、増田陸が台頭していますが、戦力的に見ると優勝を狙うのは厳しい」(民放テレビ関係者)
昨年はシーズン途中に補強したエリエ・ヘルナンデス、ココ・モンテスの活躍が4年ぶりのV奪回の原動力になった。今年の補強も注目されるなか、巨人は7月12日に元DeNAの乙坂智(31)の獲得、育成契約だったマレク・ フルプ(26)の支配下昇格を発表した。だが、戦力としては懐疑的な見方が少なくない。
巨人には乙坂と似たタイプが多い
「乙坂はDeNAを退団後、メキシカンリーグ、米国の独立リーグでプレーして好成績を残していますが、NPBの投手と比べるとレベルが落ちる。巨人は貧打の解消が大きな課題で、乙坂の獲得に踏み切ったのは意外に感じました」(スポーツ紙デスク)
乙坂は外野を守り、俊足巧打に定評がある中距離打者。巨人には同じタイプの選手が多いが、獲得に踏み切った真意は何だろうか。他球団の元編成担当はこう分析する。
「巨人の選手の年齢構成を見ると、他球団と比べて30代前半の選手が少ない。本来は経験値を積み重ねて心身共に充実したこの世代の選手たちがチームの核にならなければいけない。31歳の乙坂はDeNAを退団後に海外を渡り歩き、巨人の入団テストを受けて合格を勝ち取った苦労人です。ハングリー精神が強く、今の若手に欠けているものを持っている。戦力としても期待できますが、生え抜きの選手たちに危機感を抱かせる狙いもあると思います」