
NPB各球団は2軍施設移転を含む、新球場建設プランを次々と発表している。実現すれば誰もがワクワクする素晴らしい計画ばかりだ。しかし経済や貿易を含む国内事情もあり、「絵に描いた餅」で終わりそうな危険性もはらんでいる。
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野球観戦においては選手の素晴らしいプレーに加え、球場滞在をどれだけ楽しめるかも重要。2023年に開場したエスコンフィールド北海道(以下エスコンF)の成功もあり、「次はどんな球場ができるのか?」も大きな関心ごとになっている。
「エスコンFは細部にまで徹底的にこだわり、試合がない日でも楽しめる場所になった。日本ハムの成功例を見て、新球場建設を前向きに考える球団が出てくるのは当然だろう」(NPB関係者)
各本拠地球場は個性に溢れ、足を運ぶだけでも楽しい空間になってきている。中でもエンタメ最前線が詰め込まれたエスコンFは、“野球場”の枠を超えた北海道の観光名所になりつつある。
「楽天モバイルパーク宮城、マツダスタジアム(広島)、横浜スタジアムなども、足を運ぶだけで楽しい。魅力ある球場は本業の野球以外でも収益を上げることができるので、ビジネス的うまみも大きい」(スポーツマーケティング会社関係者)
現在使用中のものが老朽化したことで、新球場(施設)の建設・使用を発表する球団も現れている。ヤクルトは新神宮球場の使用を表明、2軍施設は茨城県守谷市へ移転する。ロッテも2軍施設が2030年の開業予定で千葉県君津市へ移転、千葉市主導での新本拠地建設計画も明らかになった。
「ヤクルトの2軍施設は順調に建設が進み、2027年の開場が今から待たれる。心配なのは新神宮球場の詳細が見えてこないこと。2032年までの完成とされているが、現状では間に合うのか不透明」(在京テレビ局スポーツ担当者)
新神宮球場は当初2027年完成予定だったが、神宮外苑再開発に関する調整遅れなどが重なり予定が伸びてしまった。また遅れの大きな原因となっている資材価格高騰はさらに進んでおり、今後も予断は許さない。