
レギュラーシーズンも折り返しを過ぎた今年のプロ野球。セ・リーグではヤクルト、パ・リーグではロッテが最下位に沈んで苦しんでいるが、過去10年という単位で見て最も低迷しているチームと言えばやはり中日になるだろう。昨年までは3年連続で最下位。過去10年で見てもAクラス入りは2020年(3位)だけで、それ以外は5位が5回、6位が4回と最下位争いの常連となっているのだ。
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2022年からは“ミスタードラゴンズ”と言われた立浪和義が監督に就任したものの、成績は上向くことはなく3年で退任。今シーズンは昨年まで二軍で指揮を執っていた井上一樹監督が昇格。ファームで結果を残していただけに期待の声も多かったが、ここまで33勝43敗2分、勝率.434で4位と大差をつけられての5位に沈んでおり、5年ぶりのAクラス入りは極めて厳しい状況となっている。
試合の結果は現場を預かる監督の責任であることは間違いないが、10年間で5人の監督が指揮を執っていながら一向にチーム状況が上向いていないことを考えると、やはり大きな原因はチームを編成するフロント側にも問題があることは確かだろう。やはり気になるのが将来のチームの中心になることを期待してドラフト上位で獲得した選手、中でも野手の苦戦が目立つ点だ。
過去10年のドラフト1位、2位で指名した中でレギュラーとして十分な成績を残したのは京田陽太(2016年2位)だけで、その京田も既にトレードでDeNAに移籍している。3位以下まで広げても、現在のチームでレギュラークラスと言えるのは木下拓哉(2015年3位)と岡林勇希(2019年5位)しかいない。特に投手に転向した根尾昂(2018年1位)を筆頭に石川昂弥(2019年1位)、ブライト健太(2021年1位)、鵜飼航丞(2021年2位)、村松開人(2022年2位)、津田啓史(2023年2位)などが軒並み伸び悩んでいるところが今のチームを象徴していると言えるだろう。