
頻繁な監督交代、強くなる可能性は?
楽天の監督交代はめまぐるしい。19年に平石洋介監督が就任。前年の最下位からCS進出の3位に押し上げたが球団から監督ではなく、2軍統括への就任のオファーがあり、退団した。翌20年は三木肇監督が2軍監督から昇格したが、4位に終わると1年限りで再び2軍監督へ。21年は石井一久GMが監督に就任したが3位、4位、4位と3年間で1度も優勝争いに絡めずに退任した。昨年は内部昇格で今江敏晃前監督が2年契約で就任。球団創設初の交流戦優勝を飾ったが、契約途中で解任となった。起用法やベンチワークで疑問の声がチーム内で上がったことなどが報じられた。
「ベンチに控えている選手を有効活用できないなど、今江さんの起用法に一部のコーチや選手から不満の声があったのは事実です。ただ、就任1年目で不慣れな部分があったし、選手全員が納得する起用法はありません。采配が未知数な部分があることは事前に分かっていたはずですし、それなら経験豊富なヘッドコーチを招聘するなどして、サポートすべきだった。今江さんは選手やコーチと積極的にコミュニケーションを取ろうとしていたし、2年契約の1年目で契約解除されたのは気の毒でした。平石さんの時もそうですが、不可解な監督人事を繰り返していると選手たちが不安になります」(仙台のテレビ局関係者)
監督が頻繁に交代する球団が強くなったケースは皆無に近い。オリックスでシーズン途中を含め、7年連続で監督が交代した時期があった。当時のオリックスOBは「選手からすれば大きなストレスでした。監督が代わることで起用される選手が変わるし、求められる役割が変わってくる。自分の目指す方向性を理解しても、監督が交代してしまうのでリセットされてしまう。チームに一体感もなくなりますよね。新庄監督が日ハムを変革するのも時間が掛かっていますし、すぐに強くなるわけではない。フロントは『結果が出ない時期もこの監督でチームを立て直す』という覚悟が必要だと思います」と振り返る。