投球練習をする大谷(日刊スポーツ)
投球練習をする大谷(日刊スポーツ)

オールスターで投手としての出場は「ない」?

 一方、昨シーズンは激震もあった。公私ともにサポートしてきた元通訳の水原一平氏がオンラインでの違法なスポーツ賭博をめぐり、開幕戦の翌日の昨年3月20日、ドジャースを解雇。その水原氏は賭博の胴元に大谷の銀行口座から約1700万ドルを不正送金していたなどとして有罪判決が下り、今年6月16日にペンシルベニア州の連邦刑務所に収監された。

「取材を通じて、一平さんとはしゃべる機会がよくあったので、騒動のときはショックでしたね。振り返れば、一平さんが携帯に没頭しているというか、よく電話をするようになっていました。もちろん、グラウンドでは大谷選手のサポートはしていますけれど、それ以外の時間では、記者連中との雑談というのも減ってきてはいましたね」

 水原氏が日本ハムの球団通訳となった2012年に大谷選手も、日ハムに入団。17年から大谷選手がロサンゼルス・エンゼルスに移籍すると、大谷選手の専属通訳として公私にわたりサポートしていた。 大谷は一連の騒動に動揺していたというが、昨シーズンは50本塁打以上、50盗塁以上の「50-50」を達成。ワールドシリーズでも活躍し、ドジャースが世界一に輝いた。

「この苦境を乗り切れたのはメンタルではなく、技術だと思います。一平さんの事件後も、しっかり試合に出て、結果を残しました。事件があったことを感じさせない昨シーズンでした。大谷選手は『全てが技術だ』という話もしています」

 ただ、水原氏が通訳をしなくなったこともあり、会見などの公式な場以外で、大谷が報道陣と接触する機会は減ったという。

 7月15日に行われる「MLBオールスターゲーム」にスタメン出場する日本人は大谷選手のみ。「ドジャースのロバーツ監督が明言しているので、投手としての出場はない。バッターとして期待ですね」

 ロバーツ監督は「9月前に5イニングは投げない」とも話しており、二刀流の完全復活は秋以降になる見込みだ。

(AERA編集部・上田耕司)

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