
AIへの指示を「プロンプト」と言います。プロンプトの出来次第で、AIの回答精度がかなり変わってくるのが現状です。私はインターネット検索が一般的になった頃のことを思い出しました。調べ方の上手い下手がありましたよね。どんな語句をどう入れれば欲しい検索結果が出てくるかのコツをつかむのに、少々時間を要したあの頃。
当時に比べたら、AIは話しかけるように文章を書けばプロンプトにはなるので楽ですが、やはりこちらの意図がぼんやりしていると、思ったような答えは返ってきません。
結果、今回の準備時間内では思い通りの図を作成してもらうまでには至りませんでした。しかし、プロンプト作成の段で非常に学びがありました。誰に、どんな風に理解してもらうために、なにを強調した図が欲しいのか、自分のなかで漠然としていたことがわかったのです。使い方としては邪道かもしれませんが、問いを立てる力を養うのにAIは有効だと感じました。
AIに限った話ではなく、人生すべてにおいて、問いを立てるのが実は一番難しい。答えるほうが、ずっと楽です。
問う力って、想像力をどこまで広げられるか、欲しい成果をどこまで具体的にイメージできるかにかかっています。こればかりは、しばらくは自分の頭で考えなければいけないのかもしれませんね。
※AERA 2025年7月7日号
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