首相官邸に入る石破茂首相
首相官邸に入る石破茂首相
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 東京都議選で大敗した自民党は、7月の参院選にジリ貧モードで突き進むとみられる。目標に掲げる与党で過半数の議席を確保できなければ、「石破おろし」が吹くことは間違いない。党内では、大物議員たちが、次の首相の座を狙って既に動きを活発化させている。

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 壊滅的と言える。6月22日投開票の東京都議選で、自民党は21議席しか獲得できず、過去最低だった2017年の23議席を下回り、第1党から転落した。

 今年は12年に1度の「巳年選挙」で、都議選と参院選が行われる。この2つの選挙は連動しながら、政治の動向を左右してきた。

 典型的なのが1989年だ。前年に発覚したリクルート事件や、同年4月の消費税導入に加えて、宇野宗佑首相の女性スキャンダルが発覚。7月2日投開票の都議選は、自民党は63議席から43議席へと大敗した。それから3週間後の23日に投開票が行われた参院選で、自民党は議席を69から36議席に減らす大惨敗。翌24日に宇野首相は退陣を表明した。

 こうした動向を見る限り、7月20日投開票の参院選で自民党は、歴史的大敗を喫するかもしれない。

 石破茂首相は6月23日の記者会見で勝敗ラインを聞かれ、「非改選議席も含めて与党で過半数」と回答した。これまでも総理・総裁は同様の発言をしてきたが、今回は自民・公明両党で衆議院で過半数割れしている、という点で大きく違う。参院選で負けると即、政権の地位が揺らぐことになるからだ。

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