
開幕から、主力の丸佳浩(36)、岡本和真(28)が故障で離脱したり、坂本勇人(36)、エリエ・ヘルナンデス(30)が打撃不振でファーム降格したりと想定外のアクシデントが相次ぐ巨人だが、代わりに試合に出る生え抜きの選手たちが期待を上回る働きを見せ、首位争いをするチームを支えている。
【写真】実績があるのにファーム暮らしでトレードが囁かれる巨人の投手はこの人
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遊撃の定位置をつかんだ泉口友汰(26)は、打率トップ争いをするなど攻守で核になっている。「守備力では門脇誠が上」という評価が多かったが、課題の打撃で確実性が上がり、好調を維持している。
増田陸(24)も4月下旬以降、一塁のレギュラーとして試合に出続けている。2022年に自己最多の69試合に出場したが、23年は1軍出場なしに終わり、昨年も4試合出場のみ。崖っぷちに追い込まれた今年、チャンスをつかんだ。
岸田行倫(28)も存在感を発揮している。昨年は正捕手として自己最多の72試合でスタメンマスクをかぶり、リーグトップの盗塁阻止率.475を記録したが、今年はソフトバンクからFA移籍してきた甲斐拓也(32)が正捕手になった。2番手捕手となったが、好リードに加えて打撃でも高い貢献度を示し、次第に出場機会を増やした。6月8日の楽天戦では自身初の満塁アーチを放ち、10日のソフトバンク戦では4安打3打点と爆発した。
巨人を取材するスポーツ紙記者がこう話す。
「泉口がいなかったらと思うとゾッとします。吉川尚輝と共にチャンスメイクし、時にはポイントゲッターになるなど試合を重ねて自信をつけている。増田は岡本、坂本が万全なら出番がなかったかもしれない選手です。ハングリー精神が強いですし、巨人には珍しく喜怒哀楽を前面に出すプレースタイルなので新しい風を吹き込んでいる。岸田は昨年の正捕手ですから活躍に驚きはないですが、甲斐が起用されてベンチで戦況を見ていた時は悔しい感情があったはず。もう一度メインの捕手を取り返すぐらいの意気込みで活躍してほしいです」