
FAで大山、石川を獲得していたら…
巨人の先発陣では、エースの戸郷翔征(25)が開幕から打ち込まれる不調が続き、2軍降格も経験した。その間、赤星優志(25)が今季12試合登板で防御率2.20と安定した投球を続け、4勝をあげている。
巨人は昨オフに甲斐拓也をFAで獲得したが、ほかにもFA権を行使した大山悠輔(阪神)や石川柊太(ロッテ)の獲得に動いた。「タラレバ」になるが、大山と石川を獲得していたらどうなっていたか。内野は大山が一塁に入り、岡本が三塁に回る布陣になり、増田は厳しい状況に追い込まれていた可能性が高い。坂本が遊撃に戻れば、泉口の出場機会も減っていたはずだ。石川が先発ローテーションに入れば、赤星も登板機会が減っていたかもしれない。
「FA補強は、正解だったかそうでないかの判断が難しい。活躍しなくても他球団の戦力を削いだという考え方もできますから。ただポジションが重なる生え抜きの選手たちの出場機会が少なくなるデメリットが生じてしまうことは間違いありません」(スポーツ紙デスク)
今オフにはFA権を取得予定の近本光司(阪神)、柳裕也(中日)が権利を行使するか注目される。近本は阪神のリードオフマンとして1年目から稼働し、5度の盗塁王を獲得。プロ7年目の今季は球団最速の通算1000安打を達成した。柳も21年に最優秀防御率のタイトルを獲得するなど、中日の主戦投手として活躍。先発ローテーションで計算できる存在だ。
今年の戦いぶりを見てからの判断になるだろうが、球団は今オフ、FA戦線でどのような動きを見せるか。民放テレビ関係者は「今の巨人にFA補強の必要は感じません」と話す。
「近本が阪神から移籍するイメージがわかないですが、泉口、増田陸、若林楽人が上位打線で稼働しているので使い続けてほしい思いがあります。先発陣も西舘勇陽、横川凱、堀田賢慎と潜在能力の高い投手たちがいる。彼らは殻を破れば一気にブレークする可能性がありますが、実績ある投手たちで先発陣を固めると、登板機会が阻まれて成長する機会が失われてしまう。チームの新陳代謝を促す意味でも、生え抜きの若手にチャンスを与えるメリットは大きいです」