
政治とカネの問題で、自民の補完勢力だと思われた
――選挙戦の手応えはどうですか。
街頭はともかくネット上では潮目が変わりはじめています。
昨年をターニングポイントに、選挙でのネット戦略の重要性が決定的になりました。社会保険料のテーマはXではかなり盛り上がっていて、次にアピールすべきは、もっとボリュームが大きい動画メディアのユーザーです。減税や財務省陰謀論の動画はバズっているので、社会保険料や厚労省の問題も深刻だと伝えていかなければいけません。
――維新の歩みを振り返って、現在の低支持率を招いた最大の要因は何だと思いますか。
反対の声もある大阪・関西万博の推進や、斎藤元彦兵庫県知事をめぐる一連の問題への対応など、いろいろとありますが、一番は政治とカネの問題ですよ。政治資金規正法の改正案で、維新は最終的に野党と自民の折衷案のような方向に走り、自民の補完勢力だと思われてしまった。
政治改革大綱を取りまとめたのは、政治改革実行本部の事務局長だった私です。馬場伸幸代表や藤田文武幹事長(いずれも当時)は、政策活動費は残すべきだという意見で、私は彼らが決断したことをサポートするのが役割。自分の仕事に後悔はありません。ただ結果論で言えば、政治資金パーティーも企業・団体献金も、なんなら旧文通費も全部禁止にするくらい踏み込むべきだったと思いますね。
今の維新は「小さくまとまろうとしている印象」
――最近の維新は離党議員が相次ぎ、党内の求心力も低下しているように見えます。
支持率が物足りないからこそ、議員たちの不満が噴出してまとまりを失っているのでしょう。維新のパーパスは、コメ輸入自由化やライドシェアのような、ある種の極論を打ち出して現状に風穴を開けることだったはず。でも今の維新は、選挙で負けるかもしれない政策を訴えることに慎重な意見が増えて、小さくまとまろうとしている印象です。