インタビューに応じる音喜多駿氏(撮影:大野洋介)
インタビューに応じる音喜多駿氏(撮影:大野洋介)

吉村代表の行動が、出馬へと腹をくくるきっかけに

――維新の吉村洋文代表からは、どのような言葉をかけられましたか。

 これは嘘でもなんでもなく、「戻ってきてほしい」と。社会保障制度改革は吉村さんの肝煎り政策で、二人三脚で実現を目指してきたからだと思います。

 5月に東京で開催した「社会保険料引き下げを実現する会」のイベントは、当初、吉村さんに登壇してもらうために大阪で行おうと考えていました。でも吉村さんが、「音喜多さんには参院選を東京で戦ってほしい。そのためにプラスになるなら」と、わざわざ東京に来てくれることになったんです。すごく意気に感じて、出馬へと腹をくくるきっかけになりました。

 参院選東京選挙区には自民現職の武見敬三前厚生労働相も出馬することになり、社会保障制度改革が象徴的なテーマになるでしょう。そういう意味でも、私が先頭に立って、政策を主張することが望ましいはずです。

――衆院選では社会保障制度改革を訴えた結果、落選しました。今回の選挙戦略は。

 衆院選は各選挙区から1人しか当選しないので、有権者の大多数から支持を得る必要がありました。一方の参院選は、東京選挙区で今回争う議席数が7ですから、8~9%くらいの得票率で当選します。10人に1人に賛同してもらえばよいので、引き続き「高齢者の方には医療費の窓口負担を3割お願いします」と正直に訴えていきます。

 選挙では、人口が多く投票率も高い高齢者を敵に回したら勝てないというのがセオリーで、エッジの利いた訴えだとは思います。演説中に白い目で見られることもあります。でも、「立派なこと言ってるな」と応援してくれた70代くらいのおじいちゃんもいます。高齢者の1割くらいは、若い世代のためならと理解してくださるのではないかと思います。

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