
5月30日、中日の岩嵜翔が金銭トレードでオリックスに移籍することが発表された。岩嵜は2007年の高校生ドラフト1巡目で市立船橋からソフトバンクに入団。2017年にはリリーフとして70試合に登板して最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得するなど活躍し、2021年オフにフリー・エージェント(FA)で移籍した又吉克樹の人的補償で中日に移籍している。移籍1年目にはトミー・ジョン手術を受けて長期離脱となったが、昨年一軍に復帰。150キロ台後半のスピードをマークして話題となった。オリックスは吉田輝星、宇田川優希など中継ぎ投手が多く故障で離脱しており、リリーフ陣が大きな課題となっていただけに、パ・リーグでの実績もある岩嵜の加入は大きなプラスとなりそうだ。
そして岩嵜以外にも現在は主に二軍でプレーしているが、他球団であれば活躍の余地がありそうな選手は少なくない。セ・リーグの投手でまず名前を挙げたいのが今村信貴(巨人)だ。2011年のドラフト2位で太成学院大高から入団。2年目から早くも一軍で先発登板すると、2018年には6勝、2020年には5勝をマークしている。その後はリリーフに転向となり、2022年には55試合に登板してブルペンを支えた。しかしそれ以降は登板機会が減少。昨年はわずか7試合の登板に終わり、今年も一軍昇格を果たせずにいる。それでも二軍ではここまで16試合、18回を投げて防御率1.50、18奪三振を記録しており、まだまだ力は健在だ。巨人は同じ左腕の大江竜聖もトレードでソフトバンクに移籍しているが、他にも中継ぎ要因の左投手は多く、打撃陣の課題も多いだけに、交換要員次第では他球団が獲得できる可能性は十分にありそうだ。
今村と同じリリーフ左腕でもったいない存在と言えるのが堀瑞輝(日本ハム)だ。広島新庄高ではエースとして活躍し、2016年のドラフト1位で入団。3年目から一軍に定着すると、2021年には60試合に登板して39ホールドをマークし、最優秀中継ぎ投手のタイトルも獲得している。その後は故障もあって低迷。一昨年は5試合の登板で防御率9.00、昨年は10試合の登板で防御率8.64と全く結果を残せなかったが、二軍では安定した投球を見せており、今年も14試合、13回1/3を投げて防御率1.35、16奪三振を記録している。日本ハムのリリーフ左腕は一軍を見ても決して豊富とは言えないが、それでも一軍から声がかからないというのは不思議な状態だ。本人のことを考えても、他球団の方が活躍の場は大きいのではないだろうか。