
主力打者が稼働していない中日
今年もシーズンの3分の1ほどを消化したが、セ・リーグは「4強2弱」の構図となっている。阪神、巨人、広島、DeNAが優勝争いを展開する一方、借金を背負う5位の中日、最下位のヤクルトはこれ以上突き放されると厳しい。
懸案事項である得点力不足が解消できていない中日は、主力打者が稼働していないことが大きな痛手になっている。細川成也は右太腿裏を痛めて5月6日に登録抹消。福永裕基もオープン戦の故障から復帰した途端、復帰2試合目の5月27日のヤクルト戦で本塁にヘッドスライディングした際に左手関節を骨折し、長期離脱が必至な状況だ。開幕から4番で起用されていた石川昂弥は打撃不振から復調の気配が見られず、4月12日にファームに降格して復帰していない。
クリーンアップを担う選手たちが不在の状況で、勝負強い打撃が持ち味のベテラン・中田が1軍のメンバーに名を連ねれば、相手バッテリーに重圧を掛けられることは間違いない。だが、中田は打席にも立てない状況が続いている。2年契約最終年の今季を「ラストチャンス」と位置づけていたが、現時点で存在価値を証明できていない。
「今年もチームが下位に低迷するようだと、メンバーの大幅刷新を断行する可能性があります。中島宏之が昨年限りで戦力構想から外れて退団したように、36歳の中田もこのまま成績を残せないようだと現役続行は厳しい」(スポーツ紙デスク)
ただし、本拠地・バンテリンドームナゴヤが来年から外野フェンスの手前に新たにテラス型の観客席を増設して本塁打が出やすくなることから、「長打力が魅力の中田は必要」という声もある。中日を取材するスポーツ紙記者は「年俸3億円からの大幅減俸は避けられないが、中田は来年も残留するのではないでしょうか。一塁の絶対的なレギュラーがいない状況ですし、体調が万全ならまだまだ活躍できる。ナインに慕われ、影響力が大きい存在であることも大きなプラス要素です」と指摘する。