巨人・秋広優人(日刊スポーツ)

ファームでもアピールできていない秋広と浅野

 秋広はイースタンリーグでここまで打率.146、1本塁打、2打点とアピールできていない。高卒5年目で、今年大卒でプロ入りした宗山塁(楽天)、渡部聖弥(西武)、西川史礁(ロッテ)らと同学年になる。23年には121試合出場で打率.273、10本塁打、41打点をマークし、球団史上初となる高卒3年目で4試合連続本塁打を放ったが、この輝きは色褪せてしまった。阿部慎之助監督が就任した昨年は出場が26試合のみと激減。打撃の方向性が定まらず、リーグ優勝に貢献できなかった。今年は春季キャンプで状態が良く、オープン戦は23打数6安打で打率.261とまずまずの成績だったが、開幕直前にファームに降格。ファームで結果を出すことができていない。

 高卒3年目の浅野も停滞している。昨年は夏場に1軍昇格し、40試合出場で打率.240、3本塁打、18打点を記録。8月14日の阪神戦で左腕・及川雅貴から自身初となる満塁本塁打を放つなど、印象深い活躍があった。今年は春先から存在感を発揮したかったが、オープン戦で淡泊な打席が目立ち、秋広と共に開幕2軍スタート。早期の1軍昇格を目指すが、イースタンリーグでここまで打率.086、0本塁打、6打点と打撃の状態が上がっていない。

 巨人を取材するスポーツ紙記者は、「浅野は真面目な性格なので、すべてのアドバイスに耳を傾ける。それが決して悪いことではないですが、打撃のイメージを整理できずに打席に入っているように見えます。初球から振りにいく思い切りの良さが消えてしまっている。秋広にも言えることですが守備に不安を抱えていることも課題です」と指摘する。

 丸、キャベッジを欠き、浅野と秋広がファームにいる状況で、外野は日替わりでスタメンを組んでいる。中堅にヘルナンデスを据え、両翼は若林楽人、オコエ瑠偉、佐々木俊輔、ベテランの長野久義を起用することが多いが、攻撃面では物足りない。

 スポーツ紙デスクは「トレードを敢行する可能性がある」と言う。

「巨人は昨年もシーズン途中に西武とトレードを敢行し、松原聖弥と交換で若林を獲得したように、トレードに積極的な球団です。今村信貴、大江竜聖など1軍で実績がある投手を交換要員にして、補強に動くかもしれません」

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