二軍戦での調整登板でコンビを組んだ小林誠司捕手は「さすが勝てる投手」と最大限の賛辞を送った。日米通算200勝が話題になるが、状況を踏まえれば時間の問題。通過点でしかないだろう。

「年間を通してローテーションを守れば大台は確実。大勢、ライデル・マルティネスという強力ブルペン陣がいるのも大きい。記録達成の際には球団を挙げて盛大なお祝いをすることになるので、今から楽しみです」(巨人関係者)

「日米通算200勝はもちろん、それ以上の貯金を望みたい。また豊富な経験を活かして投手陣のリーダー役にもなってくれるはず」(巨人OB)と期待を込める。

 楽観的な意見が多いが勝負事は何が起こるかわからない。しかし、「今季中の日米通算200勝達成ができなくても来季以降も契約延長が濃厚では……」という声もある。

「田中に対する世間の注目度は想像以上に高く、集客やグッズ売り上げの営業面に多大な影響がある。今季は年俸1億6000万円プラス出来高払いの1年契約とされる(金額は推定)。営業面で年俸分は回収できると見られ、今季成績にもよるが同程度で再契約する可能性は高い」(スポーツマーケティング会社関係者)

 また、将来的な現役引退後には球団内に何らかのポストを準備することも考えられる。指導者はもちろん、日米の経験を活かしてフロント職を目指すという手もあるという。

ソフトバンクから巨人へFA移籍して、現在は一軍投手チーフコーチを務める杉内俊哉の例もある。球団ポストは多様にあるので、何らかの形で球団に残る可能性はある」(スポーツマーケティング会社関係者)

 ダイエー、ソフトバンクの左腕エースとして10年間活躍した杉内は、2011年オフにFA権を行使して巨人移籍した。現役引退後はファームから指導者勉強を始め、昨年からは一軍投手チーフコーチを任されている。

「一番熱くお声かけして頂いた。迷うことはなかった」と田中は入団会見時に嬉しそうに語った。相思相愛関係が築けており、今後も良い関係性を保てそうな気配は十分だ。

「小学校の同級生で生え抜きの坂本勇人と共に黄金時代を築き上げてもらいたい。大谷をはじめとしたメジャーの話題に負けないインパクトを発揮して、日本球界の救世主になれるはず」(巨人OB)

「マー君、神の子、不思議な子」と言われた男が、ここから先は巨人のために全てを注ぐ。日米通算200勝達成はもちろん、残りの野球人生で今度は何を見せてくれるのかに注目したい。

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