
特急大雪は利便性向上
石北線は、新旭川~網走間、総延長234キロの長大な路線だ。今までこの間を、特急「大雪」が約4時間で結んでいたが、特別快速「大雪」に置き換わった。使用車両も、キハ283系3両編成から、一般型のH100形2両編成に変更。特急から特別快速に格下げになり全席自由席での運行となったが、所要時間は大差ない。しかも、特急「大雪」は利用が少ない日は運転を取りやめていたが、特別快速は毎日運転となり、利便性が向上した。さらに、長距離移動の快適性向上のため、座席数を増やすほか、座り心地の改善が実施される。
「特急料金が不要となったので、利用者には大サービスといえるでしょう」(松本さん)

JR貨物でも、松本さんが注目しているダイヤ改正がある。「機関車EF65形式の定期運用終了」だ。
EF65形式は国鉄時代につくられた、いわゆる「国鉄型車両」。デビューは1965年。79年までの14年間に、308両もの車両が製造された。
1987年の国鉄民営化の時、9割近くがJR各社に引き継がれたが、すでに旅客列車の定期運用はない。JR貨物によれば、同社は車両を20両保有しうち4両を定期運用していた。それが今年で定期運用終了の理由は?
「老朽化が進んでおり、新しい形式の機関車に取り換えを行っているためとなります」(JR貨物)
EF65形式は貨物列車牽引機として開発されたが、一部は旅客用として寝台特急「ブルートレイン」も牽引した。さっそうと寝台特急の先頭に立つ姿は「青い名機」とも呼ばれ、多くの鉄道ファンを魅了した。自身もEF65形式のマニアだったという松本さんは言う。
「時代の流れとはいえ、当たり前に走っていた国鉄型機関車の終焉は、何とも寂しい限りです」
(編集部・野村昌二)
※AERA 2025年4月7日号