中央線:グリーン車乗車には、乗車券の他「普通車グリーン券」が必要。また導入に伴い、特急「はちおうじ」「おうめ」の運転は取りやめとなった(写真:JR東日本提供)
この記事の写真をすべて見る

 今年も鉄道のダイヤ改正の季節が来た。中央快速と青梅線にグリーン車導入など、話題の改正が目白押しだ。今年はどんな改正があったのか。AERA 2025年4月7日号より。

【写真】乗り心地はまるで新幹線! 中央線グリーン車の車内はコチラ

フォトギャラリーで全ての写真を見る

*  *  *

「まるで動く展望室です」

 都内に住む男性(42)は楽しそうに話す。

 春は、鉄道にとっても別れと出合いの季節である。ダイヤ改正により、新しい路線が開通したり、廃止されたり、新たなサービスが登場したりする。特に規定があるわけではないが、JR7社は例年3月に一斉に行っていて、今年は3月15日だった。

 例年様々な話題を呼ぶが、今回とりわけ注目を集めたのが、JR東日本が実施した「2階建てグリーン車のサービス開始」だ。

 グリーン車が登場したのは、中央線快速(東京~大月)と、中央線と直通運転する青梅線(立川~青梅)。10両編成で走る「E233系」の、4両目と5両目に2階建てグリーン車を2両連結し、12両で運行する。

「窓からの眺めが最高。車内は静かで振動も少なく、乗り心地はまるで新幹線」と男性。

 座席は新幹線のような進行方向に直角に置いたクロスシートで、肘掛けのボタンを操作すればリクライニングもできる。なかでも2階席は、普通の車両より目線が1メートルくらい高いので、景色がまるで違う。天気が良ければ、大きな窓から富士山だって見える。

中央線:写真:JR東日本提供

中央線方面では初

 鉄道ジャーナリストの松本典久さんによれば、JR東日本では、在来線で普通列車のグリーン車サービスは東海道、横須賀、総武、高崎、宇都宮、常磐線方面で実施されていたが、中央線方面では初という。

「個人的所感としては、中央線の2階建て車両は2020年秋まで運行された、臨時快速列車ホリデー快速ビューやまなし以来、2階からの視界を久しぶりに楽しみました。また、これまでの中央快速はロングシートだけ。中距離移動でもクロスシートの快適性を改めて感じました」

 中央快速と青梅線にグリーン車を導入した理由を、JR東はこう説明する。

「他線区で好評をいただいている普通グリーン車を導入することにより、特急等が停車しない駅のお客さまを含め、すべての時間帯で広く着席ニーズにお応えすることができることから、普通グリーン車によるサービスを導入することとしました」

 松本さんが選ぶ「2025年の注目のダイヤ改正」について聞いた。今年のダイヤ改正の特徴について、松本さんはこう述べる。

「大規模なものはないが、各エリアや各列車の細かい調整が行われ、利便性がアップすることになります」

 利便性と言えば、JR東海の新幹線の「女性専用のトイレ設置」も注目度は高い。

次のページ 約半数を女性トイレに