球団を保有する西武ホールディングスは昨年12月12日、東京・赤坂プリンスホテル跡地に建設した大型複合商業ビルを米投資会社ブラックストーンへ約4000億円で売却すると発表。「ベルーナドームの環境改善に本腰を入れるのでは」と言われたのだが……。
「施設売却当初は、『球場への設備投資を増やし環境改善に使用する』という声も聞かれた。しかし開幕直前になってもそういった動きは見えない。結局は今まで同様に酷暑の夏を迎えることになりそう」(西武関係者)
今春キャンプを訪れた後藤高志オーナーは「なかなかあのドームの構造上、短時間で抜本的に解決するのはなかなか難しい」とコメント。「非常に自然環境に恵まれたというか従順なドームなんでね」とも続け、現状では手をこまねいている様子を伺わせた。
「他球団の選手、関係者も行方を注視している。新庄監督の発言は、動きが進まない状況に対する牽制もあったのかもしれない。他球団の施設などに関する提案は越権行為というのは理解しているはずで、よほどの思いがあっての発言でしょう」(在京テレビ局スポーツ担当)
2月18日、中日との練習試合(北谷)では中日・樋口正修が外野フェンスに激突して負傷。試合後に新庄監督は対戦相手のキャンプ地施設の改善要請を行った。周囲の誰もを気遣う男だけに、ベルーナドームの現状に黙っていられなかったのかもしれない。
「名古屋移転は余計なお世話だが(苦笑)、気にかけてくれているのは伝わる。他球団の指揮官にまで心配されるくらいなので、球団フロントは真剣に取り組んで欲しい。プレー環境が変われば選手の気持ちも変わるはず」(西武関係者)
本拠地の名古屋移転に関しては、野球評論家・江本孟紀氏がYouTubeチャンネル内で語ったことに同調したもの。それに関しては西武ファンの心象を考えると行き過ぎであるかもしれない。だが、新庄監督の今回の発言がベルーナドームの今後の在り方に影響を与えるのではという指摘もある。