
固定されぬ守備位置が岡本の打撃に影響した?
岡本は今年2月の春季キャンプで外野の守備練習をしていたのでそつなくこなせるが、巨人の球団OBは危惧を口にする。
「守備位置がコロコロ変わることで体にかかる負担は大きい。実際に岡本は昨年チーム事情で一塁、三塁、左翼と3つのポジションを守りましたが、27本塁打と成績を落とし、7年連続30本塁打に到達できなかった。私も内外野を守った経験がありますが、1つのポジションで固定されたほうが守備に神経を使わなくなるので精神的に楽です。あと外野の守備力ですね。左翼・岡本、中堅・ヘルナンデス、右翼・キャベッジの布陣は守備力に不安が残る。外野の間を抜ける打球が二塁打でなく、三塁まで進まれると失点のリスクが上がる。キャベッジが打撃で活躍すればいいですが、状態が上がらなかったときに阿部慎之助監督の起用法が気になります」
昨オフ、巨人はR.マルティネス、甲斐拓也、田中将大を獲得したが、会心の補強ができたというわけではなかった。岡本の後を打つ5番打者が固定できなかったため、阪神からFA宣言した大山悠輔の獲得に乗り出したが叶わず。15勝をマークして貯金12を1人で作った菅野智之が抜けた穴を埋めるべく、ソフトバンクからFA権を行使した石川柊太の争奪戦に参戦したが敗れている。
復活を目指す田中将大、DeNAを自由契約となり新天地で評価を上げている左腕・石川達也が先発ローテーションに入る公算が高いが、シーズンを通じて稼働できるかは疑問が残る。田中は楽天で昨年未勝利に終わり、石川もプロ入団以来リリーバーだったことを考えると、過度な期待は禁物だ。
「大型補強を敢行しましたが、昨年より戦力値が上がったという実感はありません。救援陣は強力ですが、菅野が抜けた先発陣は心許ないですし、打線も昨年と同様に得点力が高いとは言えない。新外国人のキャベッジも日本の野球に対応するために時間が必要でしょう。その中で丸が開幕から離脱するのは大きな痛手です。貧打に苦しみ、シーズン中盤まで苦戦を覚悟する必要があります」(巨人を取材するスポーツ紙記者)