
「大分むぎ焼酎二階堂」が大リーグ・ドジャースの「公式焼酎」になった。なぜ、二階堂酒造は米国市場に参入するために「野球」に着目したのか。
* * *
二階堂酒造(大分県日出町)は先月20日、ロサンゼルス・ドジャースとパートナーシップ契約を結んだと発表した。今月末から、ドジャースの公式焼酎として、スタジアムの一般席で販売される。
パートナーシップ契約の締結により、ドジャースタジアムの一般席で二階堂ブランドのアルコール飲料の販売が可能になったほか、球場内で試飲イベントの開催を予定しているという。
「ドジャースタジアム側にやりたいことを伝えると、寄り添った対応をしてくれていると感じています」と、同社の広報を担当する広告代理店「アイ・エージェンシー」の代表取締役社長・二階堂亨介さんは話す。
本拠地での開幕戦に合わせて販売を開始する商品は、「NIKASO(ニカソー)」「柑橘系のカクテル」の2種類の予定。ニカソーとは、二階堂焼酎のソーダ割りで、以前から大分県を中心に飲まれてきたもの。現在は価格設定など、最終的な詰めを行っている段階だという。
「球場の電光掲示板に『オフィシャル焼酎・二階堂』と映し出されるので、観客のみなさんに名前を知ってもらい、売店でグラス入りの商品を買っていただきたいと思います」
“つまみ”として想定しているのは、スタジアムで販売されているホットドッグやポップコーン、ポテトチップス、大甘のドーナツ——。
「ドジャースタジアムには昨年から『築地銀だこ』さんも出店されています。焼酎はどんな食にも合う、ということもアピールしていきたい。日本の焼酎をスピリッツ(蒸留酒)の一つとして認めてもらえるようにがんばりたい。米国での試飲会では、『スッキリしていて飲みやすい。これは受けるだろう』と言っていただきました。けれども、ジンやウォッカといった強力なライバルがひしめいている。そこに食い込むのは非常に難しいと承知のうえでの挑戦です」