地図研究家・今尾恵介氏とRESTECの吉田順平氏(撮影:和仁貢介/朝日新聞出版写真映像部)
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 地球のまわりを周回する人工衛星。衛星が取得したさまざまなデータは日々進化し、日常のさまざまなシーンで活用されている。そんな最新衛星技術をふんだんに駆使してつくられた書籍が『不思議3D地形図鑑』。著者の地図研究家・今尾恵介氏と画像制作に関わったリモート・センシング技術センター(RESTEC)の吉田順平氏に、衛星画像が生み出す可能性について話を聞いた。

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人工衛星を使えば、世界中のあらゆる場所を3Dで表現できる

AW3Dビルディング(テクスチャ―付き)東京都豊洲エリア © 2025 Maxar Technologies, NTT DATA Japan Corporation

──人工衛星の話題はたびたびニュースにもなりますが、実際その技術はどのように利用されているのでしょうか? 

吉田:宇宙から人工衛星を使って地球全体を調べることを「衛星リモートセンシング」というのですが、技術自体は1970年代から利用されています。1972年に1号機が打ち上げられたアメリカのランドサットが有名ですね。そして、こうした地球観測衛星が撮影した画像は、インフラ・土木分野での維持管理や、都市計画、漁業・農業などの一次産業に至るまで、さまざまなシーンで使用されてきました。

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