衛星の3Dデータを使って地形のおもしろさを発見する

地図をはじめ、さまざまな著作がある今尾恵介氏(撮影:和仁貢介/朝日新聞出版写真映像部)

──今回、今尾さんが著された『不思議3D地形図鑑』ではそんな衛星画像を3D表現した地図がふんだんに使われています。その魅力を教えてください。 

今尾:やはり画面を見ながら地形を自由に動かせるのがすごいですよね。地図ってだいたい北が上で、南から見ているんです。斜め上、真横から見ることで新たな魅力が表現できますよね。

 たとえば「箱根のカルデラ」も、角度によって相当見え方が異なるわけです。アパラチア山脈は実際訪れることはなかなかできませんが、3Dで見るとおもしろさが浮かび上がってきました。実際現地に行くと、こんな風には見えないわけですけど、地図や空撮とはまったく違うリアリティがある本になったと思います。

──本の構成は「海の地形」「川の地形」「火山と地盤」「農業景観」「人工改変地」となっています。これらはどのように決めていったのでしょうか。

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