コロナの流行をきっかけに、小学校の児童たちにはタブレットやPCなどの端末が一人一台貸与されるようになりました。大阪の公立小学校の現役教師・松下隼司先生は、端末の導入で「いい変化が起きた」と感じる一方、思いもよらない悲劇も起きているそうです。

MENU 一人一台端末で起きた授業の変化 小学生の子どもならではの悲劇 なぜ子どもは端末をよく落とす? 子どもの“超意外”な端末の扱い方

一人一台端末で起きた授業の変化

 小学校教師(教員22年目、2児の父親)の松下隼司と申します。2019年(令和元年)末に起きたコロナ禍を機会に、タブレットやPCの端末機器が児童・生徒に一人一台、整備されるようになりました。

 一人一台端末の導入で、授業は大きく変わりました。

 以前は、子どもたちにパソコンで調べものをさせたいときは、パソコン室に移動しなければなりませんでした。移動時間がもったいなかったですし、そもそも他の学級とパソコン室を使用する時間が重なると使えないこともありました。パソコン室は学校にひとつだけだからです。

 でも今は、子どもがタブレットやPCで知りたいと思ったら、すぐに調べられるようになりました。そして、調べたことをPowerPointなどのプレゼンテーションソフトを使ってまとめたり、伝えたりすることができるようになりました。しかも、一人で調べたり、まとめたり、伝えたりするだけでなく、グループで共同学習することもできるようになりました。そして、一人一台端末の整備を機会にパソコン室からパソコンが撤去され、パソコン室がなくなりました。

 一人一台端末のおかげで、授業がさらに楽しく、効率的・効果的になりました。

 子どものタイピング能力も、年々向上しています。現在、小学2年生を担任していますが、小学2年生の子どもの中には私よりタイピングが早い子どもがいます。一人一台端末が入るまでは、思いもよらないような光景です。

小学生の子どもならではの悲劇

 一方で、小学校現場、小学生の子どもならではの悲劇もあります。

 それは、タブレットやPCの端末機器の落下です。私の予想以上に子どもたちは、端末を頻繁に落とすのです。子どもの手元から落ちたり、机から落ちたりします。

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松下隼司
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