AERA 2025年3月10日号より
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 若い世代を中心に男性の意識に変化が見られる中、今後のAERAに求められる役割とは何か。過去の記事を振り返りつつ考えてみる。AERA 2025年3月10日号より。

【時代を振り返る】女性が男性に闘いを挑む時代は終わった !!

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 1988年、「ライバルは朝日新聞です」と銘打って創刊した「AERA」。その時代を象徴する研究者や政治家、俳優らが表紙を飾り、巻頭では政治や国際問題についてこだわりの誌面デザインで展開した。スマートさが受け、若い世代を中心に絶大な支持を得た。

 そんなAERAは96年に初めて女性の目線に立った巻頭特集を組んだ。「ラーメン離婚」と題した記事で、午後10時過ぎに帰宅した会社員の女性が、先に帰宅していた夫に「ラーメン作れ、作れ」と言われたことをきっかけに離婚を決意するエピソードが綴られている。

 当時、働き続ける女性が増え始め、家庭の中や勤務先、そして社会全体に女性の生きづらさが蔓延していた。それを「ニュース」として正面からとらえた記事への反響は大きく、以来30年、AERAは「女性の生き方」を主要なテーマのひとつに据えてきた。

「強い女性」前面に

 では、一方の「男性」「夫」については、どう報じてきたのだろうか。

 今回、巻頭で「キャリアの差は、夫の差」をテーマにした記事を掲載しているが、男性の働き方の見直しや家事・育児へのコミットが重視される時代に、改めて振り返ってみたい。

 96年以来、AERAが継続して取材してきたのは、「働く女性」だ。記事には旧来型の男社会や制度に闘いを挑み、自らが新たな道を切り拓く“ロールモデル”を目指すような気概がにじむ。特に00年代は、その傾向が顕著だ。

「“おやじ仮面”で女は闘う」(2001年10月15日号)

「女は学歴と年収が求められる 婚活を勝ち抜く女性の条件」(08年11月24日号)

 だからだろう。男性側の視点に触れる記事には「強い女性」たちが登場することが多い。

「夫は妻と向き合えない 『理不尽妻』と言う夫への反論」(08年12月8日号)

AERA 2025年3月10日号より
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