7球団14人の選手のオンラインカジノ利用を発表したNPBのサイト

「昔と違って今の賭博は分かりにくい」

「昔は賭け麻雀、賭けゴルフなど賭博の種類が分かりやすかったが、今は非常に分かりにくい。オンラインカジノは『違法性はない』と強調して集客する海外の業者がいるので非常に厄介です。最初は無料でやらせて、途中から課金して違法性に気付かないパターンもある。山岡のように違法性を認識せずにやってしまう場合があるので、十分な注意が必要です」(スポーツ紙デスク)

 パ・リーグ球団の関係者もこう話す。

「スマホで危険な世界につながってしまう時代ですから、球団の選手・スタッフ向けの研修で、あらゆる賭博が違法行為であることを徹底させることが必要だと考えています」

 実際、在京球団の30代選手は山岡の活動自粛のニュースを聞いて、「え? 違法なの?って正直思っちゃいました」と驚きを口にしていた。

「課金のゲームアプリとの違いが分からないというか。賭博行為がいけないことはもちろん理解していますけど、海外のサイトはギャンブルと意識させずに違法賭博に誘導してくる。僕はスマホのゲームで無料のポーカーをやっていた時期があったんですけど、その時に課金の表示が出てきた。それ以上はやらなかったですけど、ゲーム感覚で少額でもお金を使えば違法になったかもしれない。振り返ってみると怖いですね」

 海外ではオンラインカジノが合法の国があり、米国では合法の州がある。かつて、メジャーリーグでプレーした選手は現役時代にラスベガスでカジノを楽しんだことがストレス解消だったという。

「カジノは中毒性があるので、一時期ハマりましたね。何百万円も損失が出たので、終わった後に何度も後悔しましたけど。シーズン中だけでなく、オフに他の選手たちと米国での自主トレに行って休日にラスベガスのカジノで遊んだことがありました。今はスマホ1つでギャンブルができる時代です。『海外サイトのオンラインカジノを日本で利用した時は違法性がないので罰せられない』と明らかに間違った情報を流す業者もあるので知識が必要です。僕の後輩は『闇カジノに行かなければ大丈夫ですよね?』と話していたので、『その考えは危ないよ』と伝えました」

 NPBはオンラインカジノ利用の自主申告をまだ受け付けており、関与した選手や関係者は今後も増える可能性がある。あと1カ月に迫った開幕までに、この問題の波紋は収まりそうもない。

(今川秀悟)

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