ただ、ロサンゼルス・ドジャース大谷翔平選手のような身長190センチ前後、体重100キロ前後の体格の選手が昭和にいなかったかというとそうではない。たとえば、西武ライオンズで3シーズン一緒にプレーした私の17歳年上の田淵幸一さん。もっと昔の選手で言えば、400勝投手の金田正一さんやフォークボールで有名な杉下茂さんも大柄だった。平均ではなく、一部の選手を挙げたら「そんなに変わっていない」とも言える。
 

フライボール革命は本当に革命か?投手と打者のイタチごっこ

 プロ野球にしても大リーグにしても、投手と打者の対決に関しては、ある意味、とてもシンプルな「イタチごっこ」が行われている。

 要するに、打者は、投手がどういう攻め方をしてくるかによって、それに対応するために打ち方を変える。それで打たれるようになってきたら、今度は投手がそれに対応して攻め方を変える。それで抑えられるようになってきたら、今度は打者が変える。それで今度は投手が……と、その繰り返しだ。

 よく「歴史は繰り返す」と言うが、投手対打者も同じようなものだ。人と人との戦いは、結局そういうことになるのだろう。戦国時代の合戦でも、敵軍がどういう布陣でどんな攻撃をしてくるかによって、自軍の布陣をこう変えてこう応戦しようと考える。それで戦ってみて負けながら勝ちながら、いろいろ考えてまた変えていく。その繰り返しで、まさにイタチの追いかけっこなのだ。

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