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「上沢はスタートダッシュが大事」
前出の他球団スコアラーは次のように分析する。
「日本ハム時代と印象は大きく変わらないですね。日本球界に復帰しましたが、米国でやっていた期間は1年もない。ボールやマウンドに対する違和感がなく、キャンプにスムーズに入っていると思います。スタミナがある投手で、試合を作る能力が高いので先発で投げ続ければある程度の結果を残すでしょう」
ただ、現役時代にFA移籍した経験を持つ球界OBは違う見方を示す。
「上沢の場合はスタートダッシュが大事です。1軍で開幕を迎えて春先に白星を挙げられれば精神的に楽になりますが、結果を出せないと重圧がかかる。自分も経験がありますが、結果を残そうと力が入るとフォームのバランスが崩れる。絶対的な球を持っている投手ではないので、一度崩れると修正に時間がかかります。ファームに一度落ちてしまうと苦しくなる」
巨人に移籍後、1勝しかできなかった井納
高い能力はあっても、新天地で通用するとは限らない。DeNAで50勝をあげた井納翔一は、巨人にFA移籍して2年間在籍し、わずか1勝のみ。移籍1年目の21年には開幕ローテーション入りを果たしたが、移籍初登板となった中日戦で2回途中5安打4失点で降板すると、即座にファーム降格を命じられた。救援に配置転換されたが結果を残せず、6月以降はファーム暮らしとなった。翌22年も救援で7試合登板にとどまり、戦力外通告を受けて退団。他球団での現役続行を目指したが叶わず、ユニフォームを脱いだ。
「井納は会話がかみ合わず『宇宙人』と言われる個性的な性格でしたが、伸び伸びとしたDeNAの環境が合っていたように感じます。巨人では結果を気にするあまり、腕が全然振れていなかった。素材としては間違いなく良かったですが、環境に適応する難しさを感じました」(スポーツ紙デスク)