「いくつかのベンチャー企業で働きました。貴重なビジネス経験を積む機会を得た一方で、給料はアルバイトより低いケースもありました。現在でもベンチャー企業の集まりの場では、学生が無休で長期インターンをしている現場を見たこともあります」
Quarkでもインターンを採用しているが、自身の経験などを踏まえ、学生への対応は気を付けているという。
「創業間もない企業にとっては、インターン生がジョインしてくれるのは非常に助かります。今、学生のうち6人がエンジニア業務、3人が新規事業やマーケティングを担当しています。彼らがいないと1年目は乗り切れませんでした。ただ、“やりがい搾取”にはならないように、支払う賃金は月に一度見直したり、キャリアで悩むことがないか、面談の機会を3カ月に一度、必要であれば月に一度、設けたりしています」
今年で4年目という外国人派遣会社のLivCo(リブコ/東京・新宿)では、2人の外国人、3人の日本人大学生がインターンとして働いている。代表取締役の佐々翔太郎氏(30)は、こう話す。
「人手は足りないから、学生が働いてくれることには感謝しかない。就業体験を通して、将来自分がやりたいことを見つけてほしいし、願わくは、うちに入社してほしいという“狙い”もあります。大手企業と同じやり方をしていたら注目度で負けるので、インターンの時期から職業体験としてうちの良さを知ってもらい、学生にアピールしたいと思っています。ただ単に業務を振るだけではなく、一人ずつキャリアフローも作ってサポートしています」
リクルートの採用選考は?
では、人気の大手企業は、採用の際にインターンの経験がそこまで有利になるのだろうか。
リクルートは、「特定の活動が選考に有利になるということはありません」と回答し、新卒採用の学生に求めていることについては「複数の職種で募集をしており、それぞれに異なります」とした。
ある大手総合商社は、
「長期インターンが弊社の採用活動に有利になるようなことはないです。新卒採用ではポテンシャルを見ています。学業や部活、課外活動など、学生時代にしかできない経験を積んでキャリア観を培い、納得感の高い就職活動をしてほしいです」
と回答した。