「CEO直下で成長しませんか」「新規事業の責任者を任せます」「就活に絶対的に有利!」「インターン卒業生の内定先企業はコチラ」など、就活を念頭に置いた表現が多い。

 実際、どれくらいの学生がインターンを経験するのか。

  就活情報サイト「マイナビ」の調査によると、2025年卒業の学生がインターンシップ・仕事体験に応募した割合は91.0%、実際に参加したのは85.7%で、いずれも前年を上回った。参加率は調査を開始した14年卒以来最高値を記録した。

 そこまで多い理由について、Aさんはこう話す。

「学生の間で、インターンシップをやっておけば就活で話すことが増え、有利になるという考えが普通になっているんです」

「大学1〜2年生歓迎」とうたう企業も

 都内にある私立大のキャリアセンターの教員もこう語る。

「ガクチカという言葉を、大学1~2年生から聞くことが増えました。入学早々のタイミングで、インターンシップについて聞かれたことがあります。『大学1〜2年生歓迎』とうたう企業も多いです」

 インターンを募集する企業を紹介するサイトの運営会社に、昨夏からインターンとして入った関東地方の私立大2年の男子学生・Bさんも、

「コロナ禍に先輩たちが、『課外活動を制限されていたから、エントリーシートにガクチカを書けない』と嘆いていたのを聞いて焦りました。みんながやっていることと差別化できるように、長期インターンで成果を出し、即戦力として認めてもらい、少しでもいい企業に就職したいと思っているので」

 と1日4時間、週5日と精力的に働いている。

 ただ、気になるのはBさんに支払われる賃金だ。

 「給料は完全成果報酬型です。交通費は出ます。1日3時間の勤務で15万円稼いでいる人もいると聞きますが、ほとんどの人は、平日の空いている時間の大半をインターンに費やしても、5万円を超えるかどうかです」

 Bさんの場合、仮に月20日間働いて5万円を支払われたとすると、1日の給料は2500円。時給に換算すると625円だ。

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早稲田、同志社などが注意喚起