このようにここ数年の米ツアーにおける日本勢の進出は目覚ましいものがあるが、これまで同ツアーの一大勢力となっていた韓国勢はどのような状況にあるのだろうか。

 米ツアーでは、1998年に朴セリが全米女子オープンと全米女子プロを制したことを皮切りに、韓国の多くの若手がアメリカツアーを目指すようになった。2000年代に入ると、グレース朴、キム・ミヒョン、ハン・ヒーウォンらが活躍。韓国籍選手が増え、存在感は高まるばかりだった。

 2000年代はアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)、ロレーナ・オチョア(メキシコ)といった女王が君臨していたが、韓国勢はその数が圧倒的で、2008年にはパク・インビと申ジエがメジャー優勝。2009年になると申ジエは年間3勝し、韓国人で初となる賞金女王に輝いた。

 2010年代に入ると、パク・インビがツアーを席巻。2012年に賞金女王となると、翌2013年にはメジャー3勝を含む6勝を挙げ2年連続の賞金女王に。この年は28試合中、10試合で韓国選手が優勝する状況となった。

 この後も韓国選手の勢いは止まらない。チョン・インジ、コ・ジンヨン、パク・ソンヒョンといった新世代が台頭。コ・ジンヨンは2019年から3年連続で賞金女王となり、2019年の同ランクトップ50には上位3名を含む14名の韓国勢がランクインした。

 しかしここ数年はその勢いにやや陰りが見え始めている。地元韓国の女子ツアーの試合数と賞金総額が増えアメリカに行く必要がなくなったことや、ネリー・コルダ(米)など韓国勢を凌ぐ活躍を見せるプロがいることが要因の一部。また、日本勢やタイの選手の台頭もそのトレンドに拍車をかけている。

 もちろん現在でも、ユ・ヘランやエイミー・ヤン、コ・ジンヨン、キム・アリムなどツアーの中心選手がおり、3日時点の世界ランキングトップ50に15名の韓国選手が名を連ねるなど、その実力は今でも高レベルをキープしている。しかし、独占状態だった2000年代から2020年ごろまでとは異なる様相となっているのだ。

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日本勢が“地殻変動”を起こせるか!?