広島・メディーナ
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 巨人の新助っ人、トレイ・キャベッジは2023年にエンゼルス傘下の3Aでトリプルスリーを達成。中日の新外国人、ジェーソン・ボスラーも、昨季はマリナーズ傘下の3Aで打率.303、31本塁打、110打点をマークした。過去にもタイロン・ウッズ(横浜‐中日)、ブラッド・エルドレッド(広島)ら、マイナーで活躍した助っ人がNPBでも実績を残しているが、その一方で、期待外れに終わった選手もいる。

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 外国人選手では珍しい漢字表記の登録名を用いながら、名前負けした感があるのが、1979年に南海入りしたフランク・オーテンジオだ。

 77年に3Aデンバーで打率.313、40本塁打、126打点を記録し、本塁打王と打点王の二冠に輝いた大砲は、3月13日のオープン戦、大洋戦で満塁弾を含む2本塁打の5打点と大暴れ。南海は前年チーム打率.239、78本塁打(いずれもリーグ最下位)と貧打に泣き、79年もキャンプ中に主砲の門田博光がアキレス腱断裂で戦線離脱していたとあって、“救世主”出現を喜んだ球団は翌14日、当時現役だった王貞治(巨人)の「上を行ってほしい」の願いを込めて、漢字表記の「王天上」を登録名にすることを発表した。

「ニックネームだから、いいんじゃないか。世界一のサダハル・オーと同じ字が入るのは光栄だ」と本人も気を良くして。オープン戦では王の3本を上回る5本塁打を記録。“本家”超えを実現した。

 だが、シーズンが始まると、日本の投手の変化球攻めに戸惑い、23本塁打を記録したものの、打率.248、93三振の“大型扇風機”で終わった。翌80年もシーズン前半で出場36試合と出番が減り、2軍落ちの屈辱も味わった末、シーズン中の7月に寂しく退団、帰国となった。

 3Aで本塁打王のタイトルを獲得し、来日後も一時は本塁打王争いを演じながら、尻すぼみで終わったのが、85年に阪急入りしたジョー・ヒックスだ。

 ヒックスは前年、カブス傘下の3Aアイオワで当時の球団記録、36本塁打を放ち、本塁打王になったにもかかわらず、同じ一塁をレオン・ダーラムが守るなどのチーム事情から、メジャーに昇格できなかった。

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ブーマーとの大砲コンビで期待されるも…