本塁打を量産する強打者の存在は野球を面白くする。ドジャースの大谷翔平が多くの人を魅了するのも、投打の“二刀流”も1つの理由だろうが、やはりその長打力が並外れているというのもあるだろう。日本球界にもファンを熱狂させる「大砲」は存在するが、次世代を担う選手として“本格ブレイク”が期待できるのは誰なのだろうか……。
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「打って欲しい時に結果を残すチャンスでの強さ。本塁打で試合を決めることができるわかりやすさ。そういった部分を併せ持つことによって、大谷は国の枠を超えて人気を得ているのだろう。NPBではヤクルト・村上宗隆や巨人・岡本和真には同じ匂いを感じる」(在米スポーツライター)
現在のNPBを代表する大砲としては、多くの人が2022年に三冠王となった村上と、そのライバル的な存在で3度の本塁打王という実績を誇る岡本を挙げるだろう。ともに今オフにポスティングシステムを利用してのメジャー移籍が噂されている。そんな中、彼らが米国に渡った後に球界を盛り上げる大砲誕生が望まれている。
「2人がいなくなればNPBにとって痛いが次に続きそうな好素材はいる。阪神・森下翔太と中日・石川昂弥は期待の存在と言える。打撃練習を見ればわかるが、打球の鋭さとハマった時の飛距離は素晴らしい。順調に伸びて日本を代表する強打者になって欲しい」(在京球団スコアラー)
阪神・森下は昨年11月に開催された「第3回プレミア12」で全試合、侍ジャパンの4番を務めた。阪神の藤川球児新監督も就任早々から4番起用を示唆している。
「打席内で強打者の雰囲気を持っている。右方向へも強い打球を打てるので長打だけでなく率も残せる力はある。技術、精神面の両方で改善する部分はまだまだあるが、大きな期待をさせてくれる選手」(阪神OB)
プレミア12では全9試合で打率.357(28打数10安打)、1本塁打、9打点をマークして外野手のベストナインに選ばれた。2022年のドラフト1位指名から入団2年目となった昨シーズンは129試合に出場して打率.275(458打数126安打)、16本塁打、73打点と1年目と比べほぼ全ての項目で数字がアップ。プロ入り3年目に“本格ブレイク”を予感させている。本人も4番という大役を担うことを意識した発言をしているのは心強いところだ。