得点力が長期にわたる低迷の原因となっている中日では石川への期待値は高い。だが、2019年のドラフト1位で入団後、ここ数年は毎年ブレイク候補に挙がりながらも十分な結果を残せていない。昨季は82試合の出場で打率.272(254打数69安打)、4本塁打、25打点。高卒5年目ではまずまずの成績と言えるが、本来のポテンシャルを考えれば“物足りなさ”を感じる。
「2023年は規定打席に達するなど成長を感じたが、昨季は悪い状態の時もあった。怪我に悩まされることも多いが、そこを乗り越えないと一流にはなれない。素材は超一級品だけに一皮剥けて欲しい」(中日OB)
井上一樹監督が新たに就任し、強化指定選手として参加した秋季キャンプでも左手首を痛めるなど、やはりフィジカルの面は心配要素。怪我に負けることなく試合に出続け、持ち前の強いスイングができれば結果は出ると太鼓判を押す人は多い。
年俸更改の会見の場では、目標として「全試合出場と80打点以上」を掲げた。中軸打者として試合へ出続けるという意思の現れでもあるだろう。
「他にも日本ハムには清宮幸太郎と万波中正という左右の大砲候補がいる。両者に共通するのは遠くへ飛ばす力。野球に対する向き合い方がより厳しくなればさらなる進化が期待できるのも共通している」(在京球団スコアラー)
昨季の清宮は怪我で出遅れた影響で89試合の出場にとどまったが、それでも打率.300(290打数87安打)、15本塁打、51打点と改めて力があることを見せつけた。プレミア12では侍ジャパンに選出されたが、多くの試合に出場はできなかった。ここでの悔しさをバネに今季の飛躍に期待したい1人だ。
万波は136試合の出場で打率.252(508打数128安打)、18本塁打、60打点と前年から成績は落としたが、それでも球界屈指の長打力を誇る。クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージ第2戦(ロッテ戦/エスコン)の9回裏には劇的な同点弾を放つなど、勝負強さも出てきた印象だ。