NPBの主力選手たちがメジャーに挑戦する流れは今後さらに加速しそうだ。すでに球団からポスティングの許可を得ている村上宗隆(ヤクルト)をはじめ、岡本和真、戸郷翔征(ともに巨人)、辰己涼介(楽天)ら今シーズンのオフにも移籍すると噂される選手も少なくない。
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海外フリーエージェント(FA)、ポスティング制度を問わず、メジャー挑戦のために海を渡る選手が増え続けている。少し前までは「NPBはメジャーのマイナーリーグにはならない」という声も聞こえたが、最近では野球関係者の多くが現実を冷静に捉えている。
「NPBは今やメジャーへの選手供給元になった感がある。世界最高峰の舞台でプレーでき、比べ物にならないお金をもらえるのだから仕方がない。サッカーなどと同じで、これからは各球団が選手を育てて高値で売り、そこで得た利益をNPBへ還元して盛り上げていくしかない」(スポーツマーケティング会社関係者)
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で最多3回の優勝を誇るなど、国際大会では「日本野球が世界一」になることも多い。しかし世界中から野球エリートが集うリーグがMLBなのは変わらない。大谷翔平(ドジャース)が手に入れた10年総額7億ドル(約1107億円)のような、莫大なお金を得られる場所でもある。平均年俸(昨季の開幕時)ですら498万ドル(7億9000万円)とNPBのトッププレイヤーでもなかなか稼げない額となっている。
藤浪晋太郎が良い例で、NPBでプレーした最後のシーズンは年俸4900万円(金額は推定)だった。しかし、2023年にMLBアスレチックスに移籍したとたん、年俸は325万ドル(約5億1000万円)プラス出来高100万ドル(約1億6000万円)にまで膨れ上がった。その年もシーズンでは好成績を収められなかったが、翌年もメッツと年俸335万ドル(約5億3000万円)プラス出来高85万ドル(約1億3000万円)の契約を結ぶなど、日米の“年俸格差”は明らかだ。