
巨人がソフトバンクからFA権を行使した甲斐拓也の獲得を発表した。甲斐はソフトバンクの黄金期にマスクをかぶり、侍ジャパンでも貢献してきた球界を代表する捕手。残留を認めるソフトバンクとの争奪戦を、巨人が制した。
巨人がFAで他球団の選手を獲得するのは4年ぶりとなる。2020年にDeNAから梶谷隆幸外野手、井納翔一投手を獲得して以来だ。その間、FA獲得に参戦してこなかったわけではない。このオフも、FA権を行使した阪神の4番打者大山悠輔、元最多勝投手のソフトバンク・石川柊太の獲得を目指したが、大山は阪神残留、石川はロッテ移籍が決定した。
「今年は阿部慎之助監督の下でV奪回しましたが、巨人は他球団に比べて戦力が充実しているわけではありません。今年最多勝に輝いた菅野智之が海外FA権を行使してメジャー挑戦することが決まり、15勝を挙げた投手がいなくなるのは大きなマイナスです。先発陣の補強に向けて石川の獲得に動いたのは当然と言えるでしょう。ただ、一番欲しかったのは大山悠輔(阪神)だったと思います。岡本がポスティングシステムで来オフにメジャー挑戦する可能性があり、坂本勇人も全盛期より力が落ちてきている。クリーンアップを託せる大山は是が非でもほしかった」(民放のテレビ関係者)
「巨人が特別という印象がない」
巨人は近年、FA戦線で苦戦が続いている。· 19年オフは美馬学(楽天→ロッテ)と鈴木大地(ロッテ→楽天)、22年オフは森友哉(西武→オリックス)、昨オフは山崎福也(オリックス→日本ハム)のFA補強を試みたが、いずれも争奪戦に敗れた。かつて森とチームメートだった30代の西武OBは「巨人がFAの移籍先で選ばれなくなった理由」をこう分析する。
「巨人が『球界の盟主』って言うじゃないですか。あの感覚が良く分からないんですよね。僕らが子供の頃は阪神、中日も強かったので、巨人が飛びぬけて強いイメージがない。イチローさん、松井秀喜さん、ダルビッシュ有さんなどメジャーで活躍している選手が憧れでしたし、巨人が特別という印象がない。選手目線から見れば年俸や契約年数など魅力に感じる部分はありますが、パ・リーグの選手は同じリーグの球団に移籍したほうがやりやすいですしね」