著者の最新作『社会という「戦場」では意識低い系が生き残る』

 加えて、「諦めない」ということは、それだけコストがかかるのでとても疲れます。

 コストをかけるとは、上手く行かなかったときのダメージが大きいということです。

 そのため、期待している分だけ、その感情はすぐに失望や怒りに変わってしまいます。

 上手く行けばいいのですが、そうでなければ心へのダメージは甚大です。

 人間関係でイライラすることが多かったり、がっかりすることが多かったりする人は、「相手に期待しすぎ」が理由だというケースが良くあります。

 むしろ、あまり期待をせずに接したほうが、すごくプラスなことをしてくれたときの喜びを強く感じることもできます。
 

 また、起こってしまったことに関しては、もうどうしようもありません。

 ほかの人間と一緒に生きるということは、「お願いしていた仕事をやっていなかった」とか「勝手にケーキを食べられた」とか「約束を破って、待ち合わせに現れなかった」といったことが起こります。

 どうしても許せなければ、失敗に対して怒りをあらわにして、相手にぶつけてしまうこともあるでしょう。

 とはいえ、ある程度のところで「諦め」てみるのもいいかもしれません。

 もっと肩の力を抜いてみましょう。それだけで状況が好転することも結構ありますよ。

(ぱやぱやくん)

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