全米のスポーツファン以外が一斉に野球に注目するのは、ポストシーズンに限られる。その大舞台で、大谷が二刀流で圧倒する姿を世界中の野球ファンは見たいはずだ。
ドジャースは来季も優勝最有力候補と見られている。メジャーリーグは「打倒ドジャース」をテーマに回ることになるだろう。ドジャース包囲網と言えるかもしれない。そして、そのドジャースの中心をなすのは大谷で間違いない。
今季のドジャースは先発投手陣が不安定だったが、大谷が健康を維持しエース級の働きをすれば、連覇のかなりの追い風になる。先ほども述べたが、大谷がポストシーズンで二刀流の活躍をすれば、多くの人は、そこで初めて二刀流のすごさに気が付くのかもしれない。
ヤンキースとのワールドシリーズで、先発投手としてジャッジから三振を奪い、エースのゲリット・コールからホームランを打つ。そんな光景を想像してしまう。
ワールドシリーズのシャンパンファイトで、大谷はドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長に「あと9回だ!」と声をかけた。契約残り9年間で毎年優勝する決意を表す言葉であった。大谷であれば、その夢を現実にしてしまうかもしれない。(在米ジャーナリスト・志村朋哉)
※AERA 2024年11月18日号