中学受験の入試本番まで、あと3カ月。合格を手にするためには、本人の実力に加えて、併願校選びも大切になってくる。中間層の学校の競争が熾烈化する中、努力が実る受験スケジュールを考えよう。AERA 2024年11月18日号より。
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受験本番に向けて、最後の追い込みが始まっている。勉強とともに、もうひとつ肝心なのが本命校とあわせて受ける併願校選び。ほとんどの私立中学が入試を複数回実施しているため、受験スケジュールの組み方は千差万別だ。
来年の入試は、東京、神奈川の試験が集中する2025年2月2日が日曜日。一部のミッションスクールが入学試験を別日に変更する“プチ・サンデーショック”で、青山学院が入試日を2月2日から3日に変更。また、恵泉女学園がすべての入試を午後に行うなど、例年とは違った併願校の組み合わせが実現する。ここ数年、中学受験に臨む家庭が増え、中堅校の難易度が上がっている。併願校選びを失敗すると「全落ち」という結果にもなりかねないだけに、子どものモチベーションにも配慮しつつ、受験スケジュールは慎重に決めていく必要がある。
第1志望は動かさない
中学受験情報誌「進学レーダー」のアンケートによると、生徒の受験回数は平均6・7回で、5回受験した生徒が一番多いという。
安田教育研究所代表の安田理さんは「第1志望は、合格の見込みが薄くても動かさない方がいい。変えるとモチベーションが下がり、その後の入試にも悪影響を及ぼすことがある」と話す。その上で、併願校を決めていきたいところだが、指標になるのは偏差値だ。加えて模試の結果、過去問との相性などを元に「お試し校2~3校」「第1~3志望校」「平均偏差値からマイナス3~8ポイントの安全校」を組み合わせるのが定番だ。受験する学校の合格、不合格を想定し、難易度に幅を持たせて決めることが大切になってくる。
進学レーダー編集長の石井史子さんは、こうアドバイスする。
「志望順位が高い『軸となる学校』がどこなのか明確にすることが重要です。最も合格可能性が高いのはどこなのかを踏まえて、併願校を検討しましょう。2月4日以降は募集が少なく厳しい競争になるので、1月受験や午後入試も活用して早めに合格を得て、我が子が実力を最大限に発揮できる併願作戦をつくりましょう」