10月24日に行われたプロ野球ドラフト会議は例年通り大いに盛り上がった。ドラフト1位で5球団が競合した宗山塁(明治大/楽天が交渉権)、4球団が競合した金丸夢斗(関西大/中日が交渉権)など目玉となっていた選手がどの球団に行くのかは多くの野球ファンの注目を集めた。
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ただ、プロの世界は想像以上に厳しい。毎年、どの球団にも大きな期待を背負って入団するドラフト1位の選手がいるが、ここ最近は育成枠を含め各チームが保有する選手も多くなってきたことで“見切り”が早くなっている印象も受ける。
今オフで最も衝撃だったのが、2021年のドラフト1位でソフトバンクに入団した風間球打の戦力外通告だった。来年は育成選手としてプレーすると見られているが、ドラフト時は目玉選手の1人であり、高卒3年目のシーズンが終了したばかり。巨大戦力を誇るソフトバンクとはいえ、非情な判断だったとも言える。
「(風間は入団から)怪我に悩まされたが今季は二軍で6試合に登板するなど回復の兆しが見えた。育成契約の可能性があるということなので、支配下選手枠を空けつつ保有する目的があるのでしょう。また、フリーエージェント(FA)の人的補償での流失対策という意味合いもあるのではないか」(在京球団編成担当者)
風間は戦力外にはなったが現状チームでは飛躍を期待する声も多いという。ここから入団時に評価されたような能力をソフトバンクで発揮できるか注目したいところだ。
風間は育成契約でチームに残る見込みだと報じられているが、このオフ戦力外にはなっていないものの、12月の現役ドラフトで移籍しそうな“元ドラ1”も複数出てきそうでもある。昨年は馬場皐輔(阪神→巨人)、鈴木博志(中日→オリックス)、佐々木千隼(ロッテ→DeNA)と、元ドラ1の3投手が指名され話題となった。
新天地では大活躍とまでは言えないが、鈴木は32試合に登板して1勝1敗9ホールド、防御率2.97、佐々木は28試合で0勝1敗1セーブ6ホールド、防御率1.95と前年の成績を上回った。ポテンシャルはもともと高いだけに今後さらなる活躍も期待できるだろう。